ピューリッツアー賞を受賞した作品である“ストライド (Stride)”は、あなたご自身のおばあさまと女性の権利活動家スーザンB.アンソニーの作品からインスピレーションを得たと理解しています。その背後を少し教えてください。
物事を変えるには、目的、決意、勇気が必要です。ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団から、憲法修正第19条と、1920年に初めて女性が投票を許可されたという事実を祝う作品を書いてほしいと打診されたとき、私はスーザン・B・アンソニーについてあまり知りませんでした。しかし、私はアンソニーの野心と希望を、非常に貧しい家族で育った私の祖母や母の強い意志や、より良い未来のためにと兄と私に教育を提供してくれたことに結びつけて考えました。
2010年には、存命の作曲家を支援し称える非営利団体「Composers Now」を設立されましたね。新しい音楽を人々に聴いてもらうのがいまだに難しいのはなぜだと思いますか?
それは考え方によるかと思います。初めて聞いたときはすべてが新しいです。現代の作曲家を祝うことは重要だと思います、なぜなら彼らはある意味で、今日私たちがモーツァルトやベートーベンについて議論するのと同じように、今から何世紀も後に議論されるであろう楽曲を作っているからです。彼らは今日の私たちの社会に貢献している作曲家であり、私たちは彼らをサポートする必要があります。
キャリアを通して、あなたは他者からの決めつけや思い込みを決して受け入れませんでした。この重要性について教えてください。
私は他者からレッテルを貼られるのが好きではありません。どんな人も、自分自身が誰であり、何であるのかを尊重されるべきです。しかし、レッテルを貼るということは、あなたを決められた箱に入れてしまうようなものです。思い込みや型にはめることほど危険なものはありません。たとえば、お金を持っていない人々のことを貧しいという人がいます。お金が幸せや豊かさのすべてではありません。
あなたが今まで受けた最高のアドバイスは何ですか?
言葉ではないアドバイスです。人生で一番大切なのは、支えや励ましを受けることだと思います。特に幼少期は。あなたを信じてくれている人々がいると、未来に起こりうることに対する怖さに立ち向かうことができます。それは私が多くのメンターから受けたアドバイスそのものです。難しい決断をしなければならないときはいつでも、私は彼らの声を思い出すのです。その声はいつも私に、「心配しないで。きっと大丈夫」と言ってくれます。そして私を内側から強くしてくれるのです。
指揮で特に楽しかった作品は何ですか?そして、その理由を教えてください。
私自身のオペラ「ヒヤシンスの惨劇」で、ヨーロッパでロバート・ウィルソンと仕事をしていたときです。オペラを自分で作曲して指揮できるとは思ってもみなかったので、とても特別な瞬間でした。また、他の存命の作曲家の作品を指揮することも、彼らと音楽のアイデアを交換したり、彼らの作品をよりよく知る機会を与えてくれるので、楽しい瞬間でもあります。
あなたが最も誇りに思っている行動や決定は何ですか?
キューバから飛行機に乗ってアメリカに逃げてきたことではないか、という人もいるでしょう。しかしいまだに私はあの時「いったいどうやってその飛行機に乗り込んだのか」を考えることがあります。私はその瞬間を信じただけだと思います。ですから、私が誇りに思う唯一の決断は、自分の内なる声に耳を傾けたことです。そして今日でも同じです。あの時の行動の原動力は、私を導いた内なる力でした。直感は私たちに何かを教えてくれるのだと思います。
次に取り組んでいるプロジェクトは何ですか?
今、初演を本当に楽しみにしている作品に取り組んでいます。並外れたフルートソリスト、クレア・チェイスのための作品です。彼女はグラミー賞を受賞した、フィラデルフィアの室内合唱団であるクロッシングのアンサンブルの一員です。この作品は、彼女と合唱団のためのもので、作品には米国の桂冠詩人を務めた最初のアフリカ系アメリカ人である有名なリタ・ダブによる詩も取り入れました。
Tania León - 45th Kennedy Center Honoree for her Lifetime Artistic Achievement
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