Spring 2025

Flou and Pragmatism
- 流動性と実用性 -

「優美さとは表面的なものではなく、内面的なもの。
それはしぐさ、表情、感情。一種の光であり、輝くものであり、正直なものなのです。
私は、風通しの良い吹き抜けの空間で、これらのエッセンスを圧倒的なボリュームで表現しました。」

Albert Kriemler

Inspiration

クリエイティブ ディレクターのアルベルト・クリームラーは、振付家ジョン・ノイマイヤーと彼の最後のバレエ作品『エピローグ』の衣装を共同制作した際、ルネサンスの画家、ピエロ・デラ・フランチェスカの控えめで崇高な色彩からインスピレーションを得ました。

それはアルベルトにとって、初期ルネサンスと15世紀の文化の中心地であるイタリア マントヴァへの憧れに火をつけるきっかけになるのでした。

生命に満ち溢れたフレスコ画の部屋、アンドレア・マンテーニャによる「Camera degli Sposi」は、光と影の相互作用によって、繊細なひだやなだらかな曲線などが絵に奥行き与え、まるで人物に生命が吹き込まれているようでした。

アンドレアの作品に触れると、真の優美さは単なる美しさを超越したものであることに気づくのです。

Collection

ファブリックから形を彫るという概念は、非常に詩的な手仕事です。ドレスやスカートにあしらった“ハットバンド”(らせん状にほどこしたチュール)や流れるラインのようなパネルリボン、バブルヘムを形作るループ状のリボンは、動きと形状の美しさを巧みに表現しています。アクリスのコードのひとつ、トラぺゾイド(台形)がファブリックそのものから浮かび上がる様子は、人間の手による芸術の証です。

シルク、パナマ・オーガンザ、テクノ・グリッド、ファイン・ガーゼのコットンニットといった素材、半透明なチュールのオーバーレイは、フレスコ画の絵の具の層のように深みと透け感を生み出します。

トレンチやパーカーと合わせたフルイドなドレスに、柔らかさとアウトドアウェアのような実用主義が共存します。コーティング加工されたリネン混、コットン、シルクポプリンは、軽やかで耐水性を持ちながら、レイヤードされたタンクトップでスポーティな気楽さを表現しています。

今をときめくラフィアは、その軽さと動きやすさから特別な存在感を放ち、アクリスのシグネチャーマテリアルであるホースヘアの質感を彷彿とさせます。

イタリアン・アネモネのモチーフは、自発性を象徴しています。

The New Alice Handbag

シンプルでピュアなラインが構築的なハンドバッグ「Alice(アリス)」。アクリスの創業者でもあり、現クリエイティブ ディレクター アルベルト・クリームラーの祖母にあたる、アリス・クリームラー=ショッホにちなんで名づけられ、自信に満ちた独自の道を切り開くモダンな伝統を反映しています。

長方形のフォルムに優美なカーブを描くトップハンドルで、アクリスを象徴するトラぺゾイド(台形)がゴールドまたはレザーコーティング仕上げであしらわれています。カーフレザーの素材に、たっぷりとしたサイドのマチ、取り外し可能なショルダーストラップ付きで、幅広いシーンで活躍します。